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有機系廃棄物再生エネルギー変換システム

このシステムは、有機系廃棄物から水素ガスをはじめ、クリーンなエネルギー(電力、熱等)を取り出す、世界に必要とされる循環型社会にふさわしいシステムです。
多様なバイオマスへの
対応が可能
 弊社の「バイオマスガス化発電システム」は、炭化工程とガス化工程を分離させていることにより、他社のシステム(投入物が木質系のみ)と違い、投入物は「有機系」であれば投入ができ、幅広いエネルギー化が可能という特徴を持っています。
 このシステムのガス化工程で生成されるガスは、水素ガスを主とする混合ガスであり、ガス精製後のガス分離により 「グリーン水素」を回収することが可能です。
※有機系資源(有機系廃棄物)とは
有機系資源とは、生物(動植物や微生物)に由来する資源で、生物学的分解によって、環境中に安全に還元していくことが可能であり、かつ再び有用な資源として再生していくことが可能な物のこと。
有機系の廃棄物には腐敗しにくいプラスチック類や紙類のような物と腐敗しやすい物があり、一般廃棄物ではし尿・生活排水(下水汚泥等)・食品加工残渣・畜産系(加工残渣・ふん尿)・水産加工残渣・都市廃棄物(剪定枝・可燃ごみ等)などがあります。 しかし、現在はその多くが化石燃料などのエネルギーを使いながら処分(焼却等)され、CO2を排出してしまっています。
いま、なぜ水素なのか?  日本は2030年度目標及び2050年カーボンニュートラル「脱炭素社会の実現」に取り組む中で、重点対策として再生可能エネルギー由来のカーボンニュートラル燃料の活用、ゼロカーボン・ドライブ(電動化・水素燃料電池・水素内燃機関を活用し、トラック、バス、建機、農機等の重量車の脱炭素化)の推進と定め、インフラ整備の目標としても水素ステーションの水素に関して“概ね再エネ等由来”としているように、カーボンニュートラル燃料として「水素」は、脱炭素社会の実現に対して非常に重要視されています。
 現在の水素製造方法は、化石燃料からの水蒸気改質法や部分酸化法、自己熱改質法または、工業プロセスの副産物(コークス炉ガス)などですが、いずれも水素ガス製造時に温室効果ガス(CO2)を排出しているので、グレー水素と言われています。また自然エネルギー(太陽光・風力)などからできた電力を利用して水を電気分解して水素を製造する方法もありますが、天候等条件に左右されやすく、安定的な製造に不安が残ります。バイオマスからメタン発酵によるメタンガスの水蒸気改質法もありますが、その製造量と事業性に乏しい方法になります。
水素の分類  水素は、原料や製造工程でのCO2排出によって、3つの色で分類されています。
※もっと細かく色分け・分類されている場合もありますが、下記の3色で分類するのが一般的です。
グレー水素
化石燃料(天然ガス)を改質して製造する「改質水素」や工場等で発生する副産物で製造される「複製水素」など
※グレー水素を1トン製造すると、10トンのCO2が排出される。

ブルー水素
製造工程はグレー水素と同じで、排出されるCO2を回収して貯蔵、利用し、排出量を削減した水素
※貯蔵施設や貯蔵したCO2で水素を再生産する場合など、大規模な生産施設が必要になる。

グリーン水素
 製造時にCO2の排出がない、もしくは微量である水素を指す。現在は再生可能エネルギー(太陽光や風力)の電力を利用して、水を電気分解して製造する水素を表す場合に多く用いられる。
※電気分解によるグリーン水素製造は、コストが掛かりすぎるため、コストダウンが課題になる。
また、天候等条件に左右されやすく、安定的な製造に不安が残る。
次世代エネルギー 「水素」  国の「水素基本戦略」では、水素をエネルギーとしてあらゆるシーンで活用する社会、すなわち「水素社会」の実現に向け、水素のコストをガソリンやLNGなど従来エネルギーと同じ程度のコストにすることを目標として掲げています。現在、1Nm3 (気体の量をあらわす単位)あたり100円のコストを、2030年には30円に、将来的には20円にすることを目指しています。
システムを導入することで解決できる社会の問題点 下記について、弊社設備の導入で解決に近づけると考えています。
地場有機系廃棄物処理の問題 バイオマス発電等に着目し、多少の処理が始まってはいますが、それぞれの地域には有益な処理方法が決まらないためやむを得ず焼却していたり、埋め立てを行っている廃棄物があり、これら有機系の廃棄物をエネルギー化して販売することで、CO2の排出削減だけでなく、費用をかけて処理を行っていた廃棄物から収益を得ることが可能になります。
また、エネルギー化を行う際に発生する熱や電力といった副次エネルギーを用いることで、農業などの産業へ貢献が可能です。
弊社システムの場合、外部からのエネルギーを用いずにエネルギー化処理を行うため、災害等の非常時にレジリエンスシステムとしてエネルギーの供給を行うこともできます。
水素製造時のCO2排出問題 従来の製造技術では、化石燃料を用いての燃焼、電力を用いて熱を生み出し、利用しています。 化石燃料の燃焼では当然CO2排出がありますし、電力を用いる場合でも、その電力を生成するための火力発電等でCO2排出があります。 また、国内では多量の製造を行う原料がないため、オーストラリア等、遠く離れた海外から輸送するため、その輸送でもCO2が排出されます。
本システムは始動初期を除き、化石燃料を用いず、またシステム内で発電を行い、システムの必要電力を賄うため、外部エネルギーが不要です。そのため、CO2削減に貢献できます。
内部処理として燃焼工程がありますが、発生する微量のCO2は工程内で再利用を行うため排出するCO2はほぼゼロとなります。
将来的に、製造される水素を用いる水素自動車等によって原料の収集運搬を行うことで、エネルギーを地産地消し、CO2排出をさらに削減することも可能になります。
廃棄物処理の問題 自治体、民間問わず、産業廃棄物の多くは焼却、埋め立てによって処理されています。しかし、土地は有限であり、発生する廃棄物は増えることこそあれ、減ることはありません。 国内だけでなく国外においても埋め立て可能量の限界が近づき、廃棄物が収益を生むことがないため、頭を悩ませています。
本システムでは、処理物の物性にもよりますが、エネルギー化工程において大幅な減容が可能であり、また、処理物からエネルギーを製造するため、収益を生むことができます。
廃棄物の減容のために化石燃料を購入して焼却し、CO2を排出しながら埋め立てるだけの現状から、化石燃料を購入せず、CO2排出もせず、製造したエネルギーの販売から収益を生むことが可能です。

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